おはし の おはなし〜その一
先日、保護者の方から「おはし」について、とても良い質問をいただきました。
「最近おはしを使いたがるようになったのですが、
いつ頃からおはしを持たせたらいいでしょうか?」
同じような疑問や心配をおもちの方は案外多いのではないでしょうか。
このような質問をいただいた時、私たちはこうお答えするようにしています。
「それは年齢では決められないことですね」と。
まずこちらの写真①〜③(いずれも当園内にて撮影)をご覧ください。とくに注目していただきたいのは園児のスプーンを使っている時の手指です。「スプーンの持ち方」に違いがあることがわかります。
①
②
③
注目したいのは、子どもたちのスプーンの握り方
①と②は【握り持ち】、③は【お兄さんお姉さん持ち】と私たちが呼んでいる持ち方。それぞれ手の使い方に違いがあるのがわかりますね。
おはしを持つには、親指と人差し指と中指という3本の指を独立して動かすことが必要なのですが【握り持ち】の子どもたちは、「スプーンを握ることはできても、まだ指を独立して使うことはできていない」ことがおわかりになると思います。
それに対して【お兄さんお姉さん持ち】の子どもたちは指先でスプーンをつまむように持っていますから、手首を柔らかく使いながら、スプーンを口元まで運ぶ動作を楽にすることができます。【握り持ち】の子ども達との違いは一目瞭然です。
というわけで、「もうそろそろ、おはしを渡してもいい時期かな」と私たちは考えるのは、この段階。スプーンの【お兄さんお姉さん持ち】ができるようになることが目安です。
逆にいえば、「早くからおはしを持たせた方が上手になるのでは」と考えて、【握り持ち】の段階の子どもにおはしを渡しても、なかなか上手に使えるようにはなりません。まだおはしを持つ指使いができる段階になっていないからです。
「年齢では決められない」ということにはそういう意味が含まれているのです。
お子さんの現時点での「スプーンの持ち方」、いかがでしょうか?
(その二に続く_「指先を器用に使えるカラダ」づくりについてご紹介します)